さしも、「性」


ヒトは偶然の賜物。
人生のすべての瞬間は偶然の重なり。
“命は生まれて死ぬ”という生物にとっての唯一必然の中に人生がある。
命を生み出したのは、地球であろう、多分。
それも偶然。
地球は、たくさんの偶然の重なりの中で生まれた星。
たくさんの偶然が重なって、命が育まれる環境ができあがった。

最初の命の誕生は、やはり、究極のミラクルであり謎。

45億6000年前、地球が生まれる状態があって、
たぶん
35億年前、あらゆる生物の共通なるちっちゃなちっちゃな祖先が出現して、
21億年前、酸素呼吸を獲得したばかりの、ちっちゃな単細胞生物から多細胞生物に進化して、
5億年前、生物は、海の中に生き、
1億年前,人類の祖先の哺乳類のはじまりの姿は、ネズミやリスのようで
2000年前、樹上で生活する霊長類で、サルのような姿で、
440年前、二足歩行の猿人で、身長約1.2m 脳のサイズ300立方cm(頭蓋腔容量)で、
160万年~240万年前、祖先は身長約1.3~1.6m 脳のサイズ 500~750立方cmで、
5万年~175万年前、身長約1.6~1.8m 脳のサイズ800~1200立方cm
2万年前          身長 約1.8m      脳のサイズ 1500立方cmで、
生物人類は、命のつながりの中で生まれ、系統進化をつなげてきた。

生存競争に戦う手立てを、カラダのどの部分にも持ち合わせなかった人類の祖先。
体の中の頭脳を進化させるしか、勝ち残ることはできなかった。
考える、工夫することで脳の体積を増加させ、生き残りの手立てとした。
人類は、脳を使うことでカラダと脳を大きくし生物界で生き残ってきた。
ところが、
3万年前になると、脳とカラダの大きさに逆転現象を起こす。
現代人より縄文人のほうが、大きいカラダに大きい脳だったという事実。
脳の効率化のはじまり。
脳のサイズ平均 1350立方cmの現代人を、現在までの一定の完成形とすれば・・・

現代の科学は、進化した人類の脳の効率化の具現。
人類の脳は、あらゆる生物の遺伝子情報操作を軽々と成功させ、さらなる人類の繁栄を目指した。
ついに、人類自身の遺伝子情報をも、操作がスタートされた。

人類の設計情報が記録されている遺伝子。
そこにある情報をベースに、ヒトはヒトになる。
成人のカラダは、およそ60兆個の細胞でできているといわれる。
そのひとつひとつに同じ設計情報が入っている。
男と女の生殖による、たったひとつの受精卵。
たったひとつの受精卵は60兆個の細胞になるまで分裂をくりかえす。
たったひとつの設計情報は、分裂のくり返しですべての細胞にくみこまれていく。
偶然のつくりだした神秘の世界。不可侵とされた分野への誘惑に、ヒトは勝てなかったのか。

それともそれすら、偶然の生み出す必然なのか。

ヒトの受精卵にメスが入る。
ヒトの受精卵の遺伝子情報を、思いのままする。
遺伝子を切ったり貼ったりして、ヒト設計情報をデザインするゲノム編集。
デザインされた子どもが生まれる・・・。
人類の脳は、どこに向かうのか。
種としての生き残りをかけて、人類の脳は本能のままに進んでいるのか。
向かう場所を決める力を、人類の脳は持っていると考えたい。
ゲノム編集に疑問を持つ力は、これもまた、本能からの警告としたい。

ヒトは人類として進化を続けてきた。
それは、個々の男女の生殖活動を通して。
すべての生物の命の根源、「性」。
人類は、「性」を自然界の繁栄の根源的力としてとらえてきた。
生命体維持の本能である「性」。
意識以前の、生物としての命の持続のための本能。
進化した人類の脳は、「性」をどうとらえるのか。

神に結びついた「性」。
管理される「性」。
文化として扱われる「性」。
産業になった「性」。
科学実験のモルモット化された「性」。
生殖のためだけでない人類の「性」。
本能の正体を識ったつもりの人類は、本能を捨てる社会をめざしているのか。
本能をオモチャ扱いする愚かな風潮に賛成はしない。
「性」を語る風習、伝える場が必須の時代への突入です。。
他の哺乳類とは決定的に違う、進化させたヒトの「性」について。

最近のテレビドラマで、ヒトの「性」を扱う番組がふえている。
小さなこどもから、年配の年寄りと言われるヒトまで、日常、目にする時間帯で。
性具といわれるものまでも、テレビ番組やラジオ番組の報道媒体に取上げられる。
2006年、グッドデザイン賞の一時審査を通過した性具が出現。
2011年の公開映画『モテキ』では、TENGA公式Tシャツ「LOVE ME TENGA」をキャストの衣装に使っている。
「性」について自由に話しができる、開放された機会と場が出現しようとしている。
ヒトの「性」は、これからも進化する。

「性」の漢字、部首のリッシンベンは心です。
心とは心臓のこと、心臓は命の場所と考えられて「性」の文字は生まれたのでしょう。
ヒトは生まれる時、心を持って生まれます、そして心を持って生きる。
「性」は命そのものであると。
きちんと開放された「性」を識る。

「性」が、人類を救う。

さしも「性」。


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